日日猫好日だより vol.16
主語にあらわれるもの
「主語がでかい」という表現をよく見かける。おそらく、自分が欲しいものをねだるときに思わず「みんな持ってる」と言ってしまうような、実際の主語よりも範囲を広げた物言いのことを指しているのだと思っているけれど、ほんとうのところはよく知らない。
仕事以外の場でわたしが話すとき、書くときの主語は、ほとんどが「わたし」だ。90%以上はそうだと思う。それは、長年の癖のようなものでもあるし、そうでありたいという強い気持ちの表れでもある。
わたしは、小さい頃から家のなかに拠りどころがなく、境遇を理解しあえるきょうだいもいない、学校でも地域でも浮いている存在だった。何をするにも何を考えるにも、中心にいるのはわたしひとり。心がやわらかい子ども時代をそんな風に過ごしたあと、成長し、世界がぐんと広がり、さまざまなひとと出会い、失敗し、共感したりされたりしながら生きられるようになった今でも、根っこの部分はたいして変わっていないなと思う。いつでも主語はわたしで、ひとりだ。
他の人生を生きたことがないので、これはあくまでも想像なのだけれど、ほどよい愛を受け取りながら安心して子どもでいられたひとたち、教室の中でひときわ明るい光を放ち大きな声で話すのを許されていたひとたちのなかには、「わたし」だけではなく「わたしたち」や「みんな」という主語を屈託なく使えるひとが多いのではないかと思っている。それはたぶん幸せなことだし、いつも少しうらやましい。
でも、いいのだ。孤独を内に抱きながらきっぱりと立つ。そういう在り方も悪くない。そのうえで誰かと思いや喜びを分け合うこと、共に生きていくことは可能だと思えるようになったし、それだけでもう十分に幸せだなと思う。
今週の献立帳(12/17〜12/23)
12月17日(日)
午前は本屋、午後は買い物に出かけた。最近行くようになったスーパーに、あたりまえの顔をしてチョーコーのかけぽんが並んでいたので購入する。チョーコーといえば「超特選むらさき」。初任者研修のときに食事についての講座があって「忙しい毎日のなかでなるべく自炊をしましょう、調味料にこだわるとシンプルな料理でも特別な1品になって満足します。」といわれて渡されたおすすめの調味料リストにのっていたのが、それだった。あとは光食品のウスターソースとか、九鬼のごま油とか。どれもおいしい。
買い物から帰宅後、いちごのショートケーキを焼いた。2回目にしてなかなかの仕上がり!
昼:あたたかいそば(写真なし)
夜:豚肩ロースを焼いたやつ、手羽先のからあげ、長なすの揚げびたし(かけぽん)、手羽の先っちょでだしをとった野菜スープ、雑穀ごはん
12月18日(月)
通いの仕事は休み。早めに家事を済ませ、原稿に取りかかる。今日も冷えるなぁと思ってストーブをつけパソコンに向かっていたら、ハルちゃんがストーブの真ん前に鎮座していた。心のなかで爆笑しながらこっそりと写真を撮る。
その後も姿勢を変えながら、ずっとストーブのそばにいた。毛のある猫もやっぱりあたたまりたいものだよねぇ。
朝:斜めになってしまういちごのショートケーキ
夜:万能鶏むね肉のオーロラソース、大豆のポン酢和え、蒸し大豆入りマカロニサラダ、切り干し大根とツナと大豆のケチャップ煮、小松菜のマヨポン炒め、玉ねぎと豆腐とわかめの味噌汁、雑穀ごはん
12月19日(火)
今日は大豆を蒸す予定なので、朝起きてすぐ水につけておいた。
仕事帰りにいつもの直売所で野菜をたんまり買う。新じゃがの種類はデジマ。上位にあがるほど好きな品種ではないけれど、もちろん大好きです。白菜は1玉を冷凍しておく鍋セットに、もう1玉は寒い部屋に置いておいてピェンローにする。
夕方、つけておいた大豆をホットクックで蒸す。やあ、何度だって言うけれど、蒸した大豆はほんとうにおいしい。しみじみとおいしい。
夜:鱈のムニエル、赤舌平目のムニエル、ぼろぼろのゆで卵、サニーレタス、切り干し大根と大豆とツナのケチャップ煮、小松菜のオイル蒸し、蒸し大豆のポン酢和え、豆腐と自家製キムチ入り味噌汁、雑穀ごはん
12月20日(水)
自家製キムチをレシピどおりに作ったら塩っぱくてそのまま食べられなかった。なんとか消費するべく、今日はほうれん草と卵の炒め物にした。もう少し残っているので、明日は豚キムチにして食べきろうと思う。
鶏じゃがには庭のローズマリーを入れるんだけど、毎回夫が「これ、うちの?」と聞くのがおもしろい。うちのっていうか、俺が育てたやつ?の気持ちがこもっている質問なので、毎回かわいいなと思う。でもほんとうに、ローズマリーを植えてくれてよかった。超助かってます、ありがとう。
夜:鶏じゃが、ほうれん草とキムチの卵炒め、蒸し大豆のきんぴら、残り物、納豆、雑穀ごはん
12月21日(木)
めずらしく全員分のお弁当が揃ったので記念撮影をした。毎日これを作っている自分のこと、ちゃんと労ってやらねばと思う。
午前のうちに、注文していたアフタヌーンティーリビングの重箱が届いた。想像よりだいぶ小さかったけれど、想像以上にかわいかった。電子レンジも食洗機も使えるそうなので、気楽にじゃんじゃん使っていきたい。
そしてついに、放置したままにしていた水引のお正月飾りに取りかかる。まずは、作ってあった梅を仕上げ、土台を作り、最後にメインの飾りにする辰を作った。YouTubeをみながら、ちょっとずつ。思っていたよりもかわいい感じにできた。
夜:鱈のムニエル、赤舌平目のムニエル、ぼろぼろのゆで卵、サニーレタス、切り干し大根と大豆とツナのケチャップ煮、小松菜のオイル蒸し、蒸し大豆のポン酢和え、豆腐と自家製キムチ入り味噌汁、雑穀ごはん
12月22日(金)
今日は冬至。柚子湯に入るとからだじゅうがかゆくなるので、「ん」のつくものを食べるにとどめる。今年は、いちごぜんざいとピェンロー。元気よく冬を乗り越えられますように。
18歳は大学も講座も年内は今日が最後。16歳は月曜日まで。わたしは火曜日、夫は水曜日まで。あと少し、がんばりましょう。
夜:ピェンロー、雑穀ごはん
12月23日(土)
今日は焼肉きんぐで家族の忘年会をした。食べたり飲んだりしながら、いろんな話をする。最後はMBTIの話になり、全員のタイプが判明した。だいたいこういうものは話半分にとらえているけれど、案外あたっていることも多くておもしろい。たくさんしゃべって、たくさん笑った楽しい時間だった。また来年、みんな揃って、元気に忘年会をしようね。
昼:ピェンローの残り
夜:焼肉(@焼肉きんぐ)
本棚から1冊
我が家のあちこちにある本棚から1冊を選んで紹介する「本棚から1冊」。今日紹介するのは、『やまあらしぼうやのクリスマス』です。
子どもの頃に読んで以来、ずっと心に残っていたクリスマスの絵本。当時は、クラスメイトたちから心ない言葉をかけられ、ひどい扱いを受けるやまあらしぼうやの姿に自分を重ねながら読んでいましたが、親になって読み返してみると、今度はどうしてもお母さんの気持ちになってしまうものですね。特に、「ぼうやは おかあさんの こころのひかり」と言いながら、傷ついたぼうやを抱きしめるところがたまりません。1回きりではなく、何かあるたび、同じ言葉を繰り返して抱きしめる。それって、簡単なようで実は難しいことだなと思うんですよね。
『やまあらしぼうやのクリスマス』
文:ジョセフ・スレイト
絵:フェリシア・ボンド
訳:みやち としこ
グランまま社
最近読んだ本の感想はこちらから読めます。
どうしてもストーブのそばがいいハルちゃん
次の日日猫好日だよりは、12/31(日)に配信予定です。できるかな...あやしいけれどなるべく短いものでもいいから送るようにします。
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