日日猫好日だより vol.28
こんにちは、うた子です。また来週と言ってから早2週間。いつものことながら時の流れの早さにびっくりしておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
前回のお便りを書いていた頃はまだ少しも咲いていなかった桜が今はひらひらと舞い散り、みずみずしい緑の葉が顔を見せはじめています。季節はいつだってわたしが思っているよりずっとはやく豪快に過ぎていくから、ぼうっとしているといろいろなものを見逃してしまう。あと何度見られるかわからない美しい花も景色も、大切なひとたちのちょっとした仕草もしっかり見て記憶に残しておきたいと思っているのに、日常のあれこれに気を取られ手元ばかりを見つめがちな今日この頃です。
みなさんにお話したいことはたくさんあるのですが、今回はドラマ『ソロ活女子のススメ』を観て思ったことや気づいたことについて少しお話しさせてください。実はだいぶ前にシーズン1だけ観たことがあって、そのときはおもしろいけれどものすごく好き!次のシーズンも絶対観たい!とまではいかない、可もなく不可もなくといった印象でした。でもね、最近あらためてシーズン1を観てみたら、ものすごくおもしろかったんです。続きをどんどん観たくなるくらいに。そして、ドラマと同じくらいおもしろいなと思ったのが、そういう自分自身の変化でした。
以前観たときと今回の大きな違いは、わりと早い段階で「これはもしかすると主人公が自分自身を取り戻していく話なのでは?」と気づいたことです。それが正しいかどうかはわからないのですが、そう思いはじめたあたりからぐいぐい引き込まれていった気がします。ドラマの内容自体は変わっていないのに、観る側のわたしの調子や興味関心のベクトル次第で、感想がこうも変わるものなのかとほんとうにびっくりしました。
そんな風に、既に知っていること、誰かに教えてもらって出会ったもののなかにも、まだ気づいていないおもしろさや楽しさが眠っているかもしれなくて、たとえ今はつまらなく感じていたとしても、別の機会には何かを発見して好きになることがあるかもしれない。もちろんはっきりと嫌い、苦手と思っているものはなかなか覆らないし、そういうものもあっていいと思う。でも、やっぱりわたしは何事にも余地を残しておくこと、強く決めつけてしまわないことを大切にしていきたいなと思ったんです。そのほうがずっとおもしろいし、楽しそうだから。
この4月から『ソロ活女子のススメ』シーズン4がはじまりました。そのオープニングで流れる「あわいに」という曲にこんな一節があります。
ああ まばたいた 先に誰かがいる 楽しくなる余地ばかりの世界で
楽しくなる余地、仲良くなる余地、好きになる余地。多分それはもともとそこにあって、こちらが意識して何かで埋めたり、なかったことにしたりしなければ、ずっとそこにあるものなのだろうと思います。希望、可能性、ゆとりなどの言葉にも置き換えられるたくさんの「余地」を内包する世界で、わたしはこれからも生きていきたい。TOMOOさんの歌声を聴いているうちにその思いがますます強まった気がします。興味のある方はぜひ聴いてみてくださいね。
そういえば、今日ある方の投稿で「山笑う」という季語を目にして、まさに今の季節にぴったりのすてきな言葉だなぁと思いました。山が笑うように、どうかみなさまの毎日にも笑顔があふれますように。それではまた。
今回の和色は「薄桜(うすざくら)」です。
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