日日猫好日だより vol.26

春風びゅうびゅう
うた子 2024.03.17
誰でも

こんにちは、うた子です。今日は春風がびゅうびゅう吹いていて、洗濯物がよく乾きます。わたしとしては助かるけれど、花粉症の方はつらいですよね。みんながハッピー!みたいなことってそうそうないものだなぁとしみじみ思う日曜の午後です。

昨日は仕事が休みの土曜日だったので、朝から夫と家事をしたり、編み物をしながらドラマをみたり、庭仕事をしたりして過ごしました。したいことをたくさんできると、「ああ、今日はのんびりできたなぁ」と思う。でも、よく考えてみればいろんなことをたくさんしているので、いわゆるのんびりゆっくり過ごしているわけではない。どうやらわたしにとって「のんびり」とは、好きなことを好きなようにできる心持ちのことを指すようです。

先日、16歳だった次男が17歳になりました。ようやくのセブンティーン。お祝いはみんなが揃う週末に…と思っていたけれど、なんと合宿で本人が不在ということで(日程をまったく把握していなかった)、いまだにハッピーバースデーは歌えていません。誕生日当日に歌おうとしたら、みんなが揃ったときにお願い!と言われたんですよ。そのときは普通の顔をして「よしきた、まかせとけ!」などと言いましたが、心のなかでは「そうなんだ、歌ってほしいんだ、かわいいな」とニコニコしてしまいました。どれだけ年を重ね、体が大きくなっても、彼の放つ光は変わらずやさしく心地よい色をしている。実際にどうなのか、ほかの人から見てどうなのかはわからないけれど、少なくともわたしにはそう見える。そのことがとてもうれしいし、これからもそうであってほしいなと思います。

ここ数日は吹く風の冷たさが気持ちよかったり、空から降ってくる陽射しのやわらかさを感じたり、いちだんと春っぽさが増してきた気がします。この春は気になってた棚を整理するとか、キッチンをぴかぴかに磨くとか、やりたかったけど先延ばしにしていたことをひとつひとつやっていきたいなぁと思っていて、昨日はラップやクッキングペーパーを入れているダンボール製の箱を修繕しました。パカパカはずれて中身が出てきそうになっていたので、養生テープでピッと。ずいぶん前から収納のための収納用品を買わなくなって、きれいな箱や紙袋を組み合わせて整理するようになりました。壊れたら直して、どうしようもなくなったら資源ごみに出す。そんなふうに雑に手をかける感じがわたしには合っているようです。

わたしにとって「丁寧な暮らし」という表現はなかなか難易度が高いように感じられて、誰かに対しても自分に対しても上手に使える気がしないのですが、なるべく気分よく暮らせたらいいなぁという思いなら強くあります。やりたくないことはなるべくやらないで済むように、やりたいことはより多くできるように。工夫をして、調整して、生活する。よいことも、あまりよくないことも、悪いこともあるなかで、なるべく平らであることを目指す。不幸を他人のせいにして暗い目で生きる大人たちの姿や、そこで子どもとしていなければならなかった苦しさを知っているからこそ、セルフケアをおざなりやなおざりにはできないし、したくない。わたしが毎日気分よく暮らすことに貪欲な理由は、おそらくそういうところにあるんだろうなと思います。

さて、夫が3月後半と4月に半休をとることになり、今いくつかお出かけの計画を立てているのですが、この段階がいちばん楽しくて好きです。それまでにあずま袋を仕上げて、春らしい装いと黄色いマルシェかごで出かけられたらいいなぁとワクワクしています。

みなさんにとってもわたしにとっても、よいことがより多くある1週間になりますように。それではまた。

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今回の和色は「桜鼠(さくらねず)」です。

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