日日猫好日だより vol.17

2023年の振り返り号
うた子 2023.12.31
誰でも

さようなら2023年

大晦日の午後、今年最後のニュースレターを書いている。せっかくなのでこの1年を振り返ってみると、2023年を表すキーワードは「動き出す」や「はじめる」がふさわしそうだなと思う。

1〜3月は長男の大学受験やジルの死など、一生のうち数えるくらいしか起きないような大きな出来事が重なった。じわじわと広がる悲しみやさみしさ、大きくなるばかりの不安を、家族みんなで言葉をかけ合いながら、ぎゅっとひとつのかたまりになって耐え忍んだイメージが強く強く残っている。あんな風にみんながみんなを思いやったことが今まであっただろうかというくらい、矢印がお互いの方を向いていた。

4月からはこれまでとは明らかに違うフェーズに入った。長男の生活リズムや行動範囲、お金の流れがガラッと変わったことで、家族全体の空気感や色までもが新しくなった。変化というより、変容という言葉の方が近いような。変わる、変えることには力が必要だし、それによってよくない影響が出ることもある。でも、この頃のわたしは不思議と大丈夫で、「慣れるまでは心も体も疲れるだろうけど、なんかいいな、楽しい感じがするな」と思っていた。それはつまり、変化を楽しめるくらいの気力と体力があり、余裕があったということ。心身ともに健やかであることのありがたさと威力を感じるばかりだ。

その後も新しい出会いにあふれた1年だった。その筆頭は、やはり5月に招待をもらってはじめたBlueskyだと思う。たくさんのひとたち、知らなかったこと、おもしろそうなこと、ワクワクすることに出会う毎日のなかで、自分の世界がぐいっぐいっと音を立てて広がっていった。これからのことなどわからないけれど、わたしは確かにこの場所に立ち寄り、自分の歴史にきちんと刻まれる日々を過ごしている。そういう感覚がある。

Blueskyをきっかけに、とにかくいろんなことをはじめた。2週間分の献立を書き留める「献立手帳」、読書記録、ニュースレター、ちょっとした日記を書く「しずかなインターネット」、毎朝の書写。仕事でもさんざん文章を書いているというのに、それでも飽き足らず、わたしは書き、誰かに読んでほしいようだ。

それから、いろんなものを作った1年でもあった。特に食べものをよく作った。自家製つぶあん、栗の甘露煮、あんこが飛び出た丸パン、こねないバゲット、プリン、ショートケーキ。パッと思いついただけでもはじめて作ったものがこれだけある。はじめて試したレシピまであげはじめるとキリがないくらい、いろんな料理にチャレンジした。食べたいものは自分で作る、を体現するような毎日だったなと思う。

そんな毎日のなかで自分に起きた大きな変化は「自信」だ。やってみたいと思うことにチャレンジしてみる。行ってみたいと思うところに行ってみる。話してみたいと思うひとと話してみる。うまくいかないこともいっぱいあったし、失敗したなぁと反省することもあったけれど、練習を重ねればうまくなること、続けていくうちに見えてくるものがあるという体験をたくさんできた。そのことが、自分を支え、背中を押している。自信ってこういうふうに育てるもんなんだ、と思えたのはうれしい変化だ。

来年は「交流」や「対話」をテーマにしたい。一方的に発信するだけではなく、穏やかに話をしあえる友達や空間、時間を作っていけたらいいなと思っている。できるかな、できるといいな。

最後に、今年出会ってくれたすべてのひとたち、今年も変わらず仲良くしてくれたすべてのひとたち、いつもそばにいてくれる家族。みんな、ほんとうにありがとう。あなたとあなたの大切なひとたちが、なるべく笑顔で、なるべく穏やかな気持ちで新しい年を迎えられますように。

今週の献立帳(12/24〜12/30)

12月24日(日)

練習を重ねたショートケーキが大成功してホッとした。味も見た目もいい感じ。

夜:塩豚のソテー、ドフィノワ、いちごとキウイのショートケーキ、蒸しブロッコリーと舞茸、雑穀ごはん

12月25日(月)

昼:大好きなスーパーののり弁

夜:えのきつくねのちゃんこ鍋、雑穀ごはん、納豆

12月26日(火)

子どもたちがポッサムとオムレツを食べ尽くしてしまう。次回からは鶏むね肉4枚で造らなければ。

夜:鶏むねポッサム、サニーレタス、納豆チーズオムレツ、小松菜とじゃがいもの炒め物、ひじきふりかけ、雑穀ごはん

12月27日(水)

自宅で毎日7時間勉強している18歳の手前がんばらないわけにはいかず、もくもくと仕事をした結果、無事に納まった。1年間おつかれさまでした!

昼:ひじきふりかけと小松菜とハムと卵のチャーハン

夜:万能鶏むね肉のよだれ鶏、サニーレタス、ピーマンのおかか炒め、ひじきふりかけ、豆腐ともやしときのこの生姜スープ、雑穀ごはん

12月28日(木)

夫も今日で仕事納め。1年間ほんとうにお疲れさまでした!

朝:みんなのために焼いたスコーン(チョコとくるみ、くるみ)

夜:タッカンマリ、雑穀ごはん

12月29日(金)

年内最後の美容室へ。さっぱりと剃ってもらい、また来年と手を振って別れる。夕焼けがとても美しかった。

昼:タッカンマリうどん

夜:大阪風お好み焼き

12月30日(土)

少しおせちの準備をして、午後から藤沢へ。最後は全員合流して楽しいひとときを過ごした。

夜:ピェンロー

本棚から1冊

我が家のあちこちにある本棚から1冊を選んで紹介する「本棚から1冊」。今日紹介するのは、『奥薗壽子の超ラクうまおかず』です。

今年最も影響を受けた人物、といっても過言ではないのが奥薗壽子さん。奥薗さんのレシピにハマったきっかけは『奥薗流・いいことずくめの乾物料理』という本でした。それからというもの、公式サイトの日めくりレシピも活用しながら、いろんなおかずを作っています。簡単だし、合理的で、どれもおいしい。おせちも奥薗さんのレシピで作りたいな〜と思って探し、中古で購入(中古でしか手に入らなかった)したのがこの本。少し古いけれど、やっぱり奥薗さん!という内容で、買ってよかったなぁと思っています。

チーズ田作り

チーズ田作り

今回のおせちでは、「がめ煮」と「チーズ田作り」を作りました。特に「チーズ田作り」がめちゃくちゃおいしくておすすめなので、気になる方は図書館や古本屋さんで探してみてくださいね。

朝の光を受けるハルちゃんとヨルくん

朝の光を受けるハルちゃんとヨルくん

次の日日猫好日だよりは、1/6(日)に配信予定です。最後まで読んでくださってありがとうございました。よいお年を!

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