日日猫好日だより vol.10
はじめて、を楽しむ
はじめてバゲットを焼いた。むずかしそうな気がして手を出せずにいたけれど、タイムラインで目にしたおいしそうな写真と言葉に触発されて、気づいたら紹介されていた本を注文していた。あれだけ「しばらく料理の本は買わない」と誓っていたというのに、我ながら驚くほどあっというまの行動だった。
本が届き、待ちきれない気持ちで手順を確かめる。はじめてとはいえ、パン自体は毎日作っているのでだいたいのイメージはつかめた。完成までにかかる時間をみてギョッとしつつ、ひとまず基本のバゲットを作ってみることにした。
丁寧に解説されているため、製作過程でつまずくことは特になかったけれど、唯一「クープ」だけはよくわからなかった。そもそもクープナイフというものを持っていないし、清潔なカッターもない。しかたないので、なんとなく普段使いあぐねているIKEAのつるんとした果物ナイフでやってみた。まあなんとかなるやろ、と思いながら焼くと、
はじめて焼いた基本のバゲット
おお、いい感じなのでは。クープがこれでいいのかはわからないけれど、はじめてにしては上出来な気がする。食べてみると、外はパリッ中はふわっとしていてとてもおいしい。すっかり楽しくなって、それからというもの毎日いろんなパンを焼いている。ときには失敗もするけれど、それすらも楽しい。
自分の手で、自分がおいしいと思えるものを作ることができる。わたしにとって、それは大きな喜びで、おおげさに言えば生きる楽しみのようなものだ。動く元気があって、材料さえ揃えれば、いつだって自分をしあわせにできる。その小さな自信がわたしを安心させ、豊かにする。
はじめてのことを「やってみよう」と思えること、わくわくしながら楽しめること。それは、今の自分の調子を見極めるバロメーターでもあるし、おばあちゃんになってもそうでありたいという願いでもある。はじめてのこと、はじめての場所、はじめて出会うひと。きっとまだまだたくさんある「はじめて」に、臆することなく一歩を踏み出せる身軽なわたしでありたい。
今週の献立帳(11/4〜11/11)
11月4日(土)
3連休ということで、いつもよりも大きい本屋さんへ行くことにした。ずっと欲しかった斎藤倫さんの本を2冊と、『曇った眼鏡を拭きながら』の合計3冊を購入。
『新月の子どもたち』『せなか町から、ずっと』『曇る眼鏡を拭きながら』
しばらくは積読を消化するために新しい本を買うのはよしておこうと思いつつ、欲しいものが尽きない。困ったもんだ。
家に帰り、ニュースレターを出す。土曜日が忙しない感じになってしまうので、次回からは日曜日に配信することにした。これで今よりのんびり書けるはず。
昼:かつやのおろしロースカツ弁当、ひじき煮
夜:瓦そば
11月5日(日)
ワイドパンツ
3連休最終日。裁断まで終わらせていたワイドパンツ(赤)を仕上げた。
ラインが美しくて、マキシパンツよりもすっきりとしたシルエット。マキシパンツはマキシパンツで好きなんだけれど、もう少し細身のが欲しいなと思っていたのでちょうどよかった。すそは型紙よりも+12cmでよい塩梅。引き続きワイドパンツ(紺)に取り掛かろうと思ったら、ミシン糸を切らしていたので今日のお裁縫はここまで。
夕方、お散歩がてらジルのお参りに。空気が少し冷たくて、気持ちよかった。
朝:つぶあんのせたトースト
昼:うまかっちゃんのからし高菜風味(ほうれん草とひき肉を炒めたのをのせた)
夜:ピェンロー
11月6日(月)
仕事を終えて帰っている途中に18歳から簿記2級合格の知らせが入る。先週受けた1回目があと6点届かず不合格だったので、本人もとても嬉しそうだった。連休中も自室で長いこと勉強しているのが見えていたし(猫が出入りするのでドアが開いている)、努力がちゃんと実ってよかったなと思う。
そのまま駅で合流してガストでごはんを食べたあと、次の試験に向けて勉強用の手帳を買いたいというのでロフトへ。悩んだ結果、薄くてシンプルな「torinco 3」を購入。もっと忙しくなるけれど、体に気をつけてがんばってほしい。
torinco3
昼:ガストのカキフライ定食(写真なし)
夜:鶏むね肉のコクうま玉ねぎ甘酢和え、レディーサラダの甘酢漬け、大豆とごぼうのピリ辛味噌炒めとピェンローの残り、雑穀ごはん
11月7日(火)
『こねないで作るバゲットと美味しいパン』ではじめてのバゲットを作った。完成までにかかる時間はとても長いけれど、実際に作業するのは少し、というのがとてもいい。本にのっているいろんなパンを楽しみながら作っていきたい。
昼:鶏むねのコクうま玉ねぎ甘酢和え、大豆とごぼうのピリ辛味噌炒め、レディーサラダの甘酢漬け、ひじき煮
夜:ローズマリー風味の鳥じゃが、小松菜のオイル蒸し、レディーサラダの甘酢漬け、大豆とごぼうのピリ辛味噌炒め、大根とベーコンのスープ、雑穀ごはん
11月8日(水)
立冬。朝いちばんでココアとクランベリーとくるみ入りのカンパーニュを仕込む。色の組み合わせがとてもかわいいし、すでにおいしそう。発酵させているあいだに、ポモドーロタイマーでごりごり原稿を進める。まじめにやったので午前中のうちに脱稿。やればできるんだ、やれば。
ココアとクランベリーとくるみのカンパーニュ
はじめてのカンパーニュも大成功。くるみがよいアクセントになっていてとてもおいしいし、見た目もおしゃれ。クリームチーズ(マスカルポーネはなかったので)を塗って食べたら禁断の味がした。そのあと、翌日のためにチーズカンパーニュを作るも、チーズが噴きこぼれてしまい、居合わせた18歳と大笑い。
チーズカンパーニュ
チーズをもっと埋め込まなきゃいけなかったんだなぁ、きっと。
昼:レトルトのごはん、西友のバターチキンカレー、鳥じゃがの残り、マジョラム
夜:鮭ときのこのホイル焼き、ブロッコリーとさつまいも蒸したん、じゃがいも(男爵)とソーセージとエリンギのソテー、切り干し大根のベーコン煮
11月9日(木)
今日はさつまいもと黒ごまのカンパーニュを仕込む。無印の平ザルで数分蒸し、冷ましたものを生地に混ぜ込んだつもりだったんだけど、まだあたたかさが残っていたようでいつもよりも発酵のスピードが早い。少し時間を短めに調節して焼いたらとってもカンパーニュっぽい仕上がりに。成形のところでひとつ手順をすっ飛ばして作ったせいだと思うんだけれど、思ったようにはふくらまなかった。味はとてもおいしかった。
さつまいもと黒ごまのカンパーニュ
夜は、翌日分のチーズバゲットを焼いた。
チーズバゲット
こちらは見た目も味も大成功。パン焼きが楽しくて仕方がない。
昼:一平ちゃん 夜店の焼そば
夜:鶏むねのポッサム(きゅうり)、韓国風蒸し豆腐(蒸し白菜添え)、小松菜のオイル蒸し、ごぼうのりきんぴら、雑穀ごはん
11月10日(金)
今日も今日とてパンを焼く。今回は本を見ないで基本のバゲットを焼くチャレンジ。成形で若干まごついたものの、上手に焼けた。
基本のバゲット
完璧とまではいかないけれど、習得したといってもいいでしょう。
夕方、18歳から連絡がきて2人でカラオケへ。高校生の頃はときどき一緒に行っていたけれど、大学生になってからははじめてな気がする。どれも上手だったけれど、特に『I’M A MESS』と『歌うたいのバラッド』の歌唱が大変よかった。
昼:うまかっちゃんのからし高菜風味(小松菜のオイル蒸しのせ)
夜:ひき肉としめじのトマトソースパスタ
11月11日(土)
今日は夫の誕生日。40代最後の1年が楽しく充実したものになりますように。残留争いをしているベルマーレの面々に「とにかく今日だけは勝ってくれ!嫌なムードで寿司を食べたくない!!!どうか頼む!!!」と念を飛ばしながら、夫が食べたがっていたドーナツを揚げた。念が通じて無事に勝利。ナイスだ、ほんとうによくやってくれた。
いびつなきなこドーナツ
夜はスシローでお誕生日おめでとうの会。(ノリが似ている)16歳とわたしが並んで座ってしまったばっかりに、スシローでハッピーバースデーを歌われて恥ずかしそうだった。
西郷さんの湯呑み
18歳からはハンカチタオル・まめぐい・しおり・ポストカードなど、16歳からは修学旅行で作った湯呑みをプレゼントされていた。湯呑みの西郷さんがかわいくて最高。よい誕生日になったね!
昼:釜揚げうどん
夜:スシロー(写真なし)
本棚から1冊
我が家のあちこちにある本棚から1冊を選んで紹介する「本棚から1冊」。今日紹介するのは、『へそまがりの魔女』です。
「呪うことしかゆるされない魔女と、優しさを知らない少女の、心あたたまる物語」という帯の文章と、かわいい猫の絵にひかれて手に取った絵童話。森の奥でひとり暮らす年老いた魔女のもとへ、家族のいない娘が訪ねていくところから物語がはじまります。だんだん心の距離が近くなっていく2人と、魔女が最後にかけるへそまがりらしい呪いが見どころ。装丁もとてもすてきなので、プレゼントにもおすすめです。
最近読んだ本の感想はこちらから読めます。
ハルちゃん、ヨルくん、18歳
次の日日猫好日だよりは、11/19(日)に配信予定です。
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