日日猫好日だより vol.18

では、わたしは一体どんな場面で、どんな想いで「淡々と」という言葉を使うのか。それは、心がざわざわしそうなとき、想定外のことが起きて動揺しそうなとき、やることが多すぎて何から手をつければいいかわからなくなったとき。つまり、限界を超えそうなとき、その危険を察知したときに使うことが多いようだ。さながら、自分を落ち着かせるためのおまじないのように。

元日から今日まで、とんでもない出来事が次々に起きた。直接自分が体験した災難も含めると、1年分のアクシデントをすべて盛り込んだといってもいいくらいの毎日だった。今日もテレビをつければ、ニュースを読めば、SNSを見れば、出来事についての詳細な情報やひとびとの想いがあふれている。

もともと入手する情報量が少ないというのもあるけれど、今のところ特別に選別したり避けたりという作業はしていない。ひとつひとつのニュースに心を向け、今自分にできることをする。それ以上のことは自分に背負えないこととして専門機関や専門家に委ねる。誰かが自分とは違う感覚でものを言ったり、行動したりしていても、あまり気にしないでおく。もちろん自分にできることがあればするし、なさそうであればそっとしておき、距離をおいたり、判断を先延ばしにしたりしてやり過ごす。さまざまな出来事やひとびとの想いをただただ淡々と受け止め、受け止めきれないものは手放す。そんなふうに毎日を繰り返している。

それでよいのだ。とんでもないことの只中に身を置き自分を見失いかけたことも、只中にある人の手前自らの苦しさを口に出せなかったこともあったうえで、あったからこそ、それでよい、十分だと思う。まずは自分が元気でいること。淡々と毎日の暮らしを営み、できること、できる支援を続けていくことを大切にしたい。

12月31日（日）

大晦日。のんびりと2023年最後のニュースレターを書く。大晦日の夜は『魔女の宅急便』でキキが食べていた、大きな肉団子のトマト煮込みを作ることにしている。年越しそばも魅力的なんだけれど、わたしを助け、支えてくれた大好きな作品の伝統を受け継ぐのもいいかなと思う。

夜は紅白をみながらゆるゆると過ごした。YOASOBIの『アイドル』のステージは、歌唱、パフォーマンス共にすばらしくて最高だった。カメラワークがもう少しよければ...と思ったけれども、そちらに寄りすぎると会場にいるお客さんの邪魔になったり、アーティストがカメラの方ばかり気にしたりすることにもつながるはずなので、あのくらいでよかったのかもしれない。よいこともいまいちなこともちゃんとあって、リアルな感じがした紅白だった。

夜：肉団子のトマト煮込み、蒸しブロッコリー、雑穀ごはん

1月1日（月）

新年になって最初にやることといえば「たなくじ」だ。ブルースカイでもわりと多くのひとがやっていて、さまざまなたなくじが流れてきた。

元日もいつもと変わらない時間に起きて日課をこなしつつ、朝ごはんの支度をする。おせちは大晦日のうちに詰め終えて冷蔵庫にしまっておいたので、雑煮を作るだけでいい。雑煮には郷土の特色が出るという話をよく聞くけれども、残念ながらわたしには引き継ぐ伝統がない。だから毎年好き勝手に作っている。鶏ガラで出汁をとるときもあれば、鰹出汁のときもある。今年はあごだしでシンプルに作った。そういえば、雑煮が大好きな夫の感想を聞くの、忘れちゃったな。

おせちを食べたあとは、それぞれゲームをしたり、初売りセールをチェックしたり、本の整理をしたりして過ごした。わたしは元日からはじめられるように準備していたバレットジャーナルを書いたり、昼寝をしたりしていたら地震で目が覚めた。数時間ニュースで流れる映像を見つづけたあと、テレビを消し日常に戻ることにした。このときずっと心にあったのは友達のお子さんたちのことだった。

朝：おせち（一の重：黒豆、栗きんとん、チーズ田作り、紅白なます、二の重：ブリの照り焼き、海老のガーリック焼き、蒸しブロッコリー、生ハム、三の重：がめ煮）、紅白かまぼこ、ローストビーフ、雑煮

昼：トマト煮込みの残りを使ったフジッリとローストビーフ

夜：豚しゃぶ

1月2日（火）

朝5時に起き、夫と2人で寒川神社へ。上司から「朝早く行けば道も混まず、お参りもすんなりできる」と聞き、今年こそは初詣に行くぞと計画していたのだ。寒川駅前のコインパーキングに車を停め、まだしんとしずまった町のなかをてくてく歩く。

お正月はこういうふうに規制されるんだねぇなどと話しながら参道を歩き、祈祷の受付を待つ人の波を横目にお参りを済ませ、八方除のお札やお守りを買って帰った。

朝ごはんを食べたあとは、箱根駅伝を見ながら編み物をした。昨年の秋ごろから編みはじめていたスパイラルソックスを仕上げたくて。お正月休みのうちにせめて片方編み終えたい。

午後になって、急にロールケーキを焼こう！と思い立つ。クリスマスにショートケーキがうまくいったのもあって、お菓子作りへのハードルがぐっと下がっている。どの程度泡だてればいいか、なんとなく手と目でわかるようになってきたのが大きい。はじめてにしては上手に巻けたのではなかろうか。ショートケーキより何倍も楽だったので、また近いうちに作ってみようと思う。

2日の夜ごはんはカレー。これも我が家の伝統になりつつある。あらかじめ献立に入れてあったのに、肝心のカレー粉を切らしていて、家にあったスパイスを総動員（ターメリック、クミン、ガラムマサラ、レッドペッパー、パプリカパウダー、コリアンダーは切らしていた）して体裁を整え、スープカレーにした。結果、スパイシーでおいしい、二度と再現できない味わいのスープカレーになった。

昼：黒豆ぜんざい

夜：スープカレー、もち麦ごはん

1月3日（水）

元日からはじめたバレットジャーナルにようやく慣れてきた。今年はおそらくこの4冊を使って日々を記録していくことになる。

LAMYサファリの赤を買ったので、ついでに筆箱の中身を整理した。ひとまずはこれでいく。マーカーやサインペンの色などは変更するかもしれない。

箱根駅伝を見ながら編んでいたスパイラルソックス。ようやく片方編み終えてホッとする。手がだんだんと馴染んできたので、今このときを逃すな！とばかりにもう片方を編み始めた。編み物は心が無になるし、手先があたたまっていい。なんとなく書写と似たものを感じる。

夜に外食する予定があったのをすっかり忘れ、ローストビーフと一緒に食べよう〜とるんるんしながらバゲットを焼いた。明日の朝とお弁当にまわすことにする。

昼：スープカレーの残り（写真なし）

夜：スシローでお祝い（写真なし）

1月4日（木）

長男の誕生日。夫は仕事始め、16歳は初蹴りで不在だとわかっていたので、2人でカラオケに行くことにしていた。前日にちょっとしたハプニング（出先の駐車場で車のリアバンパーが外されていた）があり、予定どおり行けるかどうか危ぶまれたんだけれど、なんとかなってよかった。

本日の最高点はこれ。いつもよりだいぶ低いけれど、楽しかったのでまあいいでしょう。

帰宅後あわててバスクチーズケーキを焼く。なぜあわてていたかというと、冷やす時間を計算に入れていなかったから。ぎりぎり冷えるくらいの時間ではあるけれど、次回からは前日のうちに焼いておこうと思った。そのあたりが初心者なんだよな。

ケーキをのせたお皿にチョコペンでメッセージを書いて出したら思いのほか喜んでくれた。そして、写真をもし撮っているなら自分にも送ってくれないか、これは残しておきたいなと思って...と少し恥ずかしそうに頼む姿がとてもかわいかった。いつまでもそのままでいてほしいから、口には出さず心の中で「おまえはいつまでたってもかわいいなぁ！！！！！」と叫ぶにとどめた。どうか心も体も健やかに、なるべく笑顔で、目標に向かってがんばれますように。19歳のお誕生日おめでとう。

昼：ちゃんぽん（写真なし）

夜：ハーブチキンカツレツ、ローストビーフ&ポテトサラダ、サニーレタス、水菜とえのきと大根の味噌汁、雑穀ごはん

1月5日（金）

わたしは仕事始め、19歳は講座始め。いつものように日常をはじめられることに感謝しつつ、あまりの忙しさに目をまわし、帰宅後はぐんにゃりしてしまった。

10年使った電子レンジが壊れてしまったので、フラットテーブルの単機能タイプを注文する。明日、届くそうだ。夜ごはんは麻婆豆腐にしようと思っていたのに、電子レンジが壊れていることをすっかり忘れていて肉が解凍できず、急遽今年はじめてのマクドナルドとなった。子どもたちは大喜びしていて、やや微妙な気持ち！

昼：ハーブチキンカツレツ、ポテトサラダ、雑穀ごはん

夜：マクドナルド

1月6日（土）

本日もわたしは仕事。保育やキャンペーン対応に追われてあっというまに時間が過ぎた。患者さんからいただいた治一郎のバウムクーヘンが、忙しさで荒みそうになる心を癒してくれた。ちょっといいお菓子にはそういう力があるよね。

午後からは昼寝をしたり、編み物をしたりしてのんびり過ごした。

昼：サッポロ一番塩ラーメン（オリーブオイル、粉チーズ、レモン汁、生ハム）

夜：麻婆豆腐丼、わかめと卵の味噌汁

積極的に矛盾を抱えようとは思わないけれど、そういうものだと知ることで自分に寛容になれる。ちっともおかしくないと言い切ってもらうことで、過去の自分がゆるされるような気がした。

今回から新コーナー「心に刻みたい言葉」をはじめてみました。そのときの気分で「本棚から1冊」か「心に刻みたい言葉」のどちらかを選んで書いていく予定です。

次の日日猫好日だよりは、1/14（日）に配信予定です。